令和4年11月
『何故、社長は決算書が読めないのか』

汚い字で失礼します。
こんにちは。五代会計事務所の柳生です。多くの経営者、幹部の方は決算書が読めません。
具体的に言うと、決算書を見ても、何を、どのように、どこを、見ればよいか分かっていません。なぜなら、誰からも損益計算書（P/L ）や貸借対照表（B/S）のどこをどのように見ればよいか教えてもらっていないからです。ですので、決算書が経営の役に立っておらず、オブジェとして棚に並ぶだけの存在となっています。切ない。決算書は年に1回、必ず作成されます。ただ、その決算書を作成する目的は、ほぼ『税金のため』です。これが切ない。『経営のため』にも使いたいので決算書を説明すると「初めて決算書の説明を受けました。」とか、「うちの現状が良くわかりました。」とか「この資料はそうやって見るんですね」という反応が返ってきます。これも少し切ないです。

一番厄介な問題は、税理士が決算書の見方や使い方を説明しても、経営者が次の日から決算書を読めたり、使えるようになったりしない事です。なぜなら、決算書の見方や使い方は技術だからです。例えば、私が皆さんの会社に入れて頂いて、皆さんから一生懸命説明を受け、次の日から皆さんと同じレベルの仕事ができるか？と聞かれれば、できないです。理由は、皆さんの会社で使う技術と知識が私には無いからです。知らないとできないですし、知っててもできない事はあります。では、どうやってその技術を身に着けるか？と言われれば、適切な知識を入れつつ、数をこなすしかないと思っています。年に一回では無理です。まずは毎月数字を見て、説明を受ける所から初めて欲しいです。税理士以外にも、経営者の身近な存在である金融機関の方は決算書が読めます。分析をする目的が違うため、その内容を進んで経営者に伝える事はありません。でも、聞けば教えてくれると思いますので、ぜひ、聞いてみて下さい。

読み始めとしては、分かりやすく行動につながりやすいＰＬから始めるのがいいと思っています。まず知って欲しい事は、売上ではなく利益だという事。儲かっている会社の経営者は毎月、粗利益を必ず押さえています。押さえていない方はそれだけで日々の行動が変わります。体験してみて下さい。決算書に現れる数字は無機質なモノではなく、その会社で行われた行動の結果です。行動で数字を作り、数字から行動を変えてもらえるように日々の打ち合わせを大事にしたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます！！